「ユネスコ公共図書館宣言」とは?

1949年にユネスコが採択した「ユネスコ公共図書館宣言」は、時代の流れに伴う変化を受けて、1972年と1994年に改訂が重ねられました。

 

発表当時は、宣言の対象は、一般の一般の人びとに置かれていました。主な内容は、公共図書館は、民主主義に支えられ、人びとが民主主義を支える教育を受ける施設であり、生涯にわたって学ぶことができる施設とされていました。

 

1972年の改訂では、宣言の対象を、教育者、および地域社会の社会・文化事業に指導的役割をもつ人びとに置いています。

 

改訂の内容は、公共図書館を、人びとの教育要求に応える施設と規定し、さらに、娯楽やリクリエーションを与え、人びとの心を活気づける施設としての文言が盛り込まれました。

 

1994年の改訂では、宣言の対象は、国および地方自治体の政策決定者、全世界の図書館界とされ、公共図書館の使命として、新たに12項目が加えられました。

 

主な内容としては、公共図書館を、地域の情報サービス拠点として位置付け、そのうえネットワークの推進、図書館司書の継続的な教育が必要であることも規定しています。

 

さらに、情報リテラシー、コンピュータリテラシーのスキルを高める機会を提供する。また、蔵書およびサービスは、いかなる種類の思想的、政治的、あるいは宗教的な検閲にも、また商業的な圧力にも屈してはならない。

 

人種、国籍、宗教等の違いに関わらず、コミュニティの構成員すべてに情報への自由なアクセスを保証する。公共図書館サービスへの商業主義的なアプローチに対抗して,「市民性」を重視すること。利用は原則として無料であること、という規定は、今もって変わっていません。

 

第2次大戦後、まもなく採択された「ユネスコ公共図書館宣言」。60年あまりの歳月を経て、世界的に社会・経済の状況が変わり、図書館を取り巻く社会情勢も大きく変化しています。

 

図書館のありかたもさまざまに論議が重ねられ、識字率の低い国と先進国など、国において「宣言」の内容の受け止めかたに隔たりがみられることも事実です。